【はじめに】スライスはゴルファー最大の悩み
ゴルフを始めた人から中級者まで、多くの人がぶつかる悩み。それが「スライス」です。
ドライバーショットが右に大きく曲がり、OBになったり飛距離が伸びなかったり…せっかくナイスショットを狙ったのに、ボールは右の林の中、なんてことも。
この記事では、スライスの原因と、誰でもすぐに実践できる改善ドリルを紹介します。
なぜボールは曲がるのか?
初心者にもわかる飛球線の法則の説明
ゴルフを始めたばかりの頃、「なんでボールが思った方向に飛ばないんだろう?」と悩んだことはありませんか?スライスが止まらず、まっすぐ飛ばすことが難しい…。
その原因を解き明かしてくれるのが「飛球線の法則」です。
今回は、初心者の方にもわかりやすく、飛球線の法則の基本を解説します!
飛球線の法則とは?
簡単に言うと「飛球線の法則」とは、クラブフェースの向きとスイングの軌道(スイングパス)がボールの飛び方にどう影響するかを示すものです。
この2つがボールに与えるインパクトが、直進・スライス・フックといった弾道を決めています。
■ クラブフェースの向き
→ ボールの打ち出し方向に大きく影響
フェースが開いていれば右に飛び、閉じていれば左に飛ぶ
■ スイングパス(クラブの軌道)
→ ボールの回転(スピン)に影響
外から内の軌道(アウトサイドイン)だとスライス回転、内から外(インサイドアウト)だとフック回転になる
図1
図1のように、青矢印(ヘッド軌道)に対して、赤矢印(フェースの向き)が右側を向いていると、ボールに右回転がかかり、ボールは右方向へ曲がっていきます。
一方で、青矢印(ヘッド軌道)に対して、赤矢印(フェースの向き)が左側を向いていると、ボールに左回転がかかり、ボールは左方向へ曲がっていきます。
【スライスの原因】あなたはどれに当てはまる?
1. フェースの開き
インパクト時にクラブフェースが開いていると、ボールに右回転がかかりスライスします。
原因は「手首の使い方」や「体の開き」が早いことが考えられます。
2. スイング軌道
クラブを振り下ろす際、外から内に振り下ろす「アウトサイドイン」のスイング軌道が、スライスの大きな要因です。
これによりカット打ちとなり、ボールに右回転のスピンがかかります。
3. グリップ(ウィークグリップ)
左手の手のひらの向きが上を向きすぎている、右手の手のひらの向きが下を向きすぎていると、フェースを閉じにくくなり、フェースが開いた状態で当たることが多くなりスライス回転が多くなります。
【誰でもできる!スライス改善ドリル】
① スプリットハンドドリル
スプリットハンドドリルがスライス改善に効果的な理由
スライスの主な原因は「フェースが開いたままインパクトを迎えてしまうこと」です。
スプリットハンドにすることで、
1,クラブフェースの動きがはっきりとわかる
2,手元の使い方(リリースのタイミング)が意識しやすくなる
3, スイングプレーンが安定する
これらの効果が期待できます。
つまり、「右手の使いすぎ」や「フェースの開きっぱなし」を防ぐことができ、
結果的にスライスが改善され、まっすぐ力強い球を打つことができるのです!
写真の様に、通常の握りから約指3本分両手の間隔を空けて握ります。腕が独立しているので左右の腕の動きを確認しやすくなります。
写真の様に、動きの確認としては、シャフトが地面と平行になる振り幅で、トップからフィニッシュにかけて腕の旋回を行い、胸の正面でクラブを右から左へクラブを動かします。この時フィニッシュでは左右の腕で✖印ができる形になると、腕のローテーションが起き、フェースと閉じる動きに繋がります。地面と平行の振り幅では、両肘が曲がらずに、伸びている状態でのスイングを心がけましょう。
スプリットハンドドリルでは、左ひじが引けると✖印ができない為、チキンウィングの改善、手首をこねる動作を行いずらくなる為、打ち上げ角度の改善、体と腕の同調、コックがなかなかうまく使えない方の改善にも効果が見込めます。初心者から上級者まで練習効果の期待がある為、どのレベルのゴルファーの方でも取り入れてもらいたい練習方法になります。小さいスイングで慣れて徐々に大きくスイングできるように練習を行っていきましょう。
② クローズスタンスドリル
クローズスタンスドリルがスライス改善に効果的な理由
スライスを改善するためには、スイングの軌道をインサイドアウトへの修正、体の開きを抑える必要があります。
そこで有効なのがクローズスタンスを使ったドリルです。
クローズスタンスとは、目標方向に対してスタンスをやや右向きに構えること。
この構えをとることで、自然とクラブがインサイドから下りやすくなり、アウトサイドイン軌道の矯正、体の周り過ぎを抑える効果が期待できます。
・スタンス幅は肩幅、通常のアドレスから右足を約50センチ程後方に引き、左足に7割程体重を乗せてアドレスを取ります。
・右足を引いていることで懐にスペースがうまれ、ダウンスイングで体の近くに手元を通しやすくなる為、インサイド軌道を作りやすくなります。
・左足に体重を乗せることで、左足の壁を感じやすく、体が開きずらくなる為、振り遅れずらくフェースを閉じやすくなります。
スイング時は、胸がボールを向いている状態を保ちながら、手打ちのイメージでスイングを行うとフェースが閉じやすくなり、フック回転がかかりやすくなる為、スライスの改善につながります。
初めはショートスイングで動きに慣れ、徐々大きくしていきましょう。クローズスタンスドリルは軸の安定、前傾維持への改善にも期待でき、直進性の高いボールを打つことができれば飛距離アップにもつながります。
③ ティーゲートドリル
ティーゲートドリルがスライス改善に効果的な理由
ティーゲートドリルは、ティー(障害物となる物)を地面に置き、「ゲート」を通してボールを打つ練習法です。
これによってスイング軌道を矯正し、正しいインパクトゾーンに導いてくれます。
- 飛球線のアウトサイド軌道上にティー(障害物となるもの)を置き、アウトサイドイン軌道を防ぐゲートを作ります。
- ティーの間をクラブが通るよう意識してスイング!
- ゲートに当たらず振り抜ければ、インサイドアウト軌道が完成!
・黄色ボールラインがインサイド軌道、ティーラインがアウトサイド軌道になります。
・黄色ボールを取り除き、ティーに当たらないようにスイングを行います。
・ティーに当たらないようにスイング出来ればインサイドの軌道でのスイングになります。
④ ストロンググリップに調整するドリル
1. 左手はストロンググリップで握ろう
・アドレス時の目線から、左手のナックル(拳の出っ張り)が2〜3個見えるようにクラブを握りましょう。
・ナックルが1つしか見えないウィークグリップだと、フェースが開きやすくスライスの原因になります。
・ナックルが4つ見えている過度なストロンググリップだと、フェースが閉じやすくフックの原因になります。
クラブを握った時に左手を確認し、ナックルが2~3個しっかり確認できればOK!
写真の様に、ナックルが1つしか見えない状態だと、フェースを返しずらくスライス回転がかかりやすい。
写真の様に、ナックルが4つ見えている状態だと、フェースを返しやすくフック回転がかかりやすい。
写真の様に、ナックルが2~3個見える状態を目安にグリップの見直しを行いましょう。
クラブの握り方を変えると初めはすごく違和感があります。しかしボールを打つ前にエラーがあると、スイングに影響を与える可能性があります。クラブに唯一触れているのは手になります。握り方1つで球筋にかなりの影響が出ますので1度見直し、修正されてみては?
2. 右手は“包み込むように”優しく握る
1,右手は「下から支える」ようにセットし、クラブを優しく包み込むように握りましょう。
2,手のひらが下方向を向きすぎると、フェースが開いてしまうので注意!
3,スイング前に右手の親指と人差し指で「V字」が右肩を指すように調整しましょう。
3.グリッププレッシャーは軽めに
1,握りしめるとスイングがぎこちなくなります。
2,軽く握ることで、ヘッドが自然にターンしやすくなります。
繰り返し練習することで、スライスは確実に改善します!
ぜひ今回のドリルを1日10分でも継続してみてください。
まとめ
スライスは「フェースの開き」「スイング軌道」「グリップ」を見直すことで劇的に改善できます。
原因をしっかり理解し、今回紹介したドリルをコツコツ続けましょう!
まっすぐ飛ぶショットが増えれば、飛距離アップ、スコアアップも夢じゃありませんよ!
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